一時期、3月になると必ず夕方、フジテレビで再放送していたドラマ 『恋ノチカラ』。
脚本 相沢友子 演出 若松節朗 他 主題歌 小田和正 『キラキラ』
フジテレビが全盛期だった頃、木曜22時にひっそり?放送された小品佳作が、GYAO!で、やっぱり3月に配信開始。
なんといっても、堤真一さんが演じる不器用で仕事バカ(今時はコンプアイアンスアウトなのかな?)な貫井功太郎と、深津絵里さんが演じる30代で行き遅れ(これはセクハラなのかな?)OLの本宮籐子とのやり取りが秀逸。
今は亡き、児玉清さんがダンディでカッコいい。
『古畑任三郎』でブレイクした西村まさ彦さんも舞台俳優たる演技力を遺憾なく発揮している。
再放送の度に観ていたので、もう10回以上になると思うが、何回観てもおもしろい。
ていうことは、傑作ですね。
周防正行監督の傑作『シコふんじゃった。』を観た故伊丹十三監督が、
「この映画には決断が無い」
と、指摘したと聞いたことがあるが、周防監督は、相撲部の女子マネージャーがさらしを巻いて土俵に上がることが決断だと考えていたのではないかと推測されるが、伊丹監督は、それでは弱いと思ったのかもしれない。
話が逸れてしまったが、『恋ノチカラ』は、簡単に(そう見える)決断する天才型の人間と、なかなか決断することができない普通の人間が、それぞれ嫉妬、憧憬、葛藤を抱きながら歩んでいくサクセス&ラブストーリー。
このドラマは、いつか続編があるのではと、期待していたが…。
2002年のドラマなので、今から約20年前、広告業界でも、グラフィックからWEBへ移行していく過渡期の頃。
もし、今、このドラマの続編が作られたとしたら、貫井功太郎は、WEBと、どう向き合っているのだろうか?
キャラ設定で考えれば、頑なにグラフィックに拘っているとは思うが、それで貫井企画は、存続しているのだろうか?
貫井企画の4人が、時代に、どう抗っているのか、観てみたい。
このドラマの事は、これまで何度かブログに書こうと思ったが、ずっと躊躇していた。
今も、逡巡しながら書いている。
なかなか決断できなかったが、決断して書いたら、なぜか書いたことが、恥ずかしい。
そんな含羞を忘れるように、もう一回、第4話を観よう。