増山超能力師事務所

増山超能力師事務所
ここ最近、ゴールデンタイムに放映されるドラマより深夜枠のドラマの方がクオリティーが高い場合が多い。

『増山超能力師事務所』(原作 誉田哲也)もそのひとつ。

超能力ものは、得てしてご都合主義に陥って笑っちゃうぐらい現実離れしてしまうことが多いんだけど、『増山超能力師事務所』は、非常にリアリティーがある。

この場合のリアリティーがあるというのは、フィクションの中での辻褄が合っているという意味。

おそらく原作のチカラでしょう。

所長役のココリコ田中さんは、ネタ作りやコント作家として才がある人だという認識だったけど、達者ですねえ。

偉大なお父さんの後継者でもありブサイク枠のトップランナー(褒めてます)柄本時生さんは、相変わらずブサイクです(くれぐれも褒めてます)。

若手演技派と評判の浅香航大さんもいいです。

増山超能力事務所

第五話『隠し味は超能力』

これは、原作ではなくオリジナルストーリーとのことですが、脚本(櫻井剛)がいいです。

店主の頑固オヤジは超能力者で、その能力を使って美味しい料理を作り、店は小さいけれど繁盛している。

しかし、腰を痛めて入院してしまい、このまま店を閉めようと思っていたところに、他の店で修業をしていた息子が戻ってきて店を切り盛りするのだけれど…。

オヤジさんはお客さんが見えるカウンター越しで調理をしていて、息子はお客さんが見えない厨房で調理をしていたという設定がキーになっている。

お客さんは、オヤジさんの大衆食堂の料理はすべてたいらげるけど、高級レストランで修業をしていた息子の料理は残してしまうというアイロニー。

さらに、この設定が、ラストの、実はオヤジさんの超能力は…、というオチに集約していく。

息子と一緒に仕事はしたいけれど息子にはもっといい店で働いてもらいたいという頑固オヤジのアンビバレンツな親心も上手く盛り込まれていて、ストーリーにふくらみがでている。

笑いがあってシリアスがあって、人情噺は、こうじゃないと。

事務所内のシーンのカットの切り返しも、超能力を意識させるような遊び心のある演出(だと思う)でいいです。

増山超能力事務所

次回の第六話は、“川口の魔女”と呼ばれていた中村ゆりさんがメインのようなので、ちょっと楽しみです。

中村ゆりさんは、もっと人気が出てもいいと思うんだけど…。

『パッチギ! LOVE&PEACE』の頃から、変わらずカワイイですね。

ドラマが終わってから原作を読んでみよう。